©2019 by 機能生物化学研究室。Wix.com で作成されました。

研究内容

RNA編集技術の開発

遺伝子改変技術は、生命現象を制御する強力な方法論であり、癌や難病、感染症などを始め、これまで治療困難であったあらゆる疾患に対して有効な治療法になると期待されています。ゲノム編集技術の医療応用は、今まさに世界中で大きく展開されていますが、オフターゲットリスクや倫理的な問題が技術原理自体に付随しています。そこで私たちは、疾患治療応用に適した新たな遺伝子改変技術としてRNA編集技術に着目しています。RNA編集による遺伝子改変は一過性であるという特徴から、ゲノム編集で引き起こされる問題を克服することができます。私たちはこれまでに、ヒト生体内で内在的に発現しているRNA編集酵素(ADAR)を標的RNAにリクルートし、標的部位特異的にA-to-I RNA編集(アデノシン(A)をイノシン(I)に置換する)を誘導する機能性RNA(AD-gRNA)を開発しました(Sci Rep, 7, 41478 (2017))。現在は、AD-gRNAを基盤として、高効率かつ高選択的にRNA編集を誘導する新たなAD-gRNAの開発を行なっています。AD-gRNAをRNA編集核酸として展開し、RNA編集を原理とする新たな核酸医薬品の開発を目指しています。

Closeup of a Petri Dish

RNA編集による新たな遺伝子制御原理の探索

mRNAの翻訳領域に生じたイノシンは、タンパク質翻訳の際にグアノシンとして認識されるため、RNAレベルのコドン改変によりタンパク質機能を制御することができます。またA-to-I RNA編集は、スプライシングの制御やmiRNAの成熟過程及び標的選択制の制御など、多くの機能が報告されています。しかしながら、全ての編集部位の生理機能及びその原理が明らかにされている訳ではなく、A-to-I RNA編集には未だ知られていない新たな遺伝子機能制御原理が存在している可能性があります。そこで、、A-to-I RNA編集の生理機能の全貌を知ることを最終目的として、「RNA上のイノシンが持つ機能」すなわち「A-to-I RNA編集によって何ができるのか?」を明らかにする研究を行なっています。

Petri Dish